不登校者数の割合は、小中学生をあわせて80人に1人
文部科学省が発表している統計によると、平成27年度に病気や経済的理由以外で年間に30日以上欠席した不登校の子どもは国公私立全体で小学校が2万7583人、中学校が9万8408人で、いずれも平成25年度から3年連続で増加しています。
平成27年度 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査 2月確定値
平成27年度 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査 2月確定値
具体的な不登校者数は小学校一年生から中学校三年生まで学年が上がるごとに右肩上がりに増え、小中学校をあわせると12万5991人。
児童生徒数1000人あたりの不登校者数の割合は全体の1.26%で、80人に1人と過去最多を更新しており、小学生では0.42%で237人に1人、中学生では2.83%で35人に1人になっています。
(注)調査対象:国公私立小・中学校(平成18年度から中学校には中等教育学校前期課程を含む)
平成27年度 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査 2月確定値
小中学校の不登校児童と生徒の合計数は、平成19年度をピークに5年間連続して減少していましたが、増加傾向に転じている背景には何があるのでしょう。
石井さんによると、不登校になったきっかけとして学校があげているのは、「不安など情緒的混乱」(小学生36.1%、中学生28.1%)、「無気力」(小学生23%、中学生23.7%)、「親子関係をめぐる問題」(小学生19.1%、中学生8.8%)、「いじめを除く友人関係をめぐる問題」(小学生11.2%、中学生15.4%)などが多く、「いじめ」(小学生1.2%、中学生1.1%)や「教職員との関係をめぐる問題」(小学生3.3%、中学生1.6%)は少数でした。
「不登校の小中学生になぜ学校に行きたくないのかを聞いても、うまく言葉で説明できるとは考えられませんが、文科省の説明によると、この調査に回答しているのは不登校の子ども本人ではなく、学校の先生やスクールカウンセラーです。ですので、不登校の理由については詳細な調査データはないという前提でお話ししていきたいと思います」。
次のページからは低学年の不登校の様々なケースを石井さんにお話しいただきます。