“株主優待”は日本独自の制度
次に株主優待のお話です。株を持っていると、プレゼントをもらえるようなイメージでしょうか?
「会社によっては株主優待として商品券や食べ物をもらえるところもあります。会社がサービスとして“お土産”をつけているわけですが、すべての会社にあるわけではありません。またこの制度は日本独特のようなところもあり、日本以外ではほとんどなく、アメリカではわずか10社くらいしかありません」(武田さん)
日本に住んでいてよかった……。株主優待、とても気になります。
「コメダ珈琲の会社、コメダホールディングスの株を持っていると、コメダ珈琲の製品か電子マネーを選べます。すかいらーくやモスフードサービスなら、お店で使える優待券がもらえます」(武田さん)
株主優待の一例。最低投資金額、株主優待の内容は2017年6月末のもの。1単元を権利確定日に保有している場合。別途、長期保有特典がある場合もあります。株価は2017年6月27日の終値
「株主2060人に聞いたインターネットアンケートによる人気銘柄ランキング(2017年5月)では、株主優待がある銘柄が上位に来ています。1位のイオンは、保有株数に応じて買い物金額の一部がキャッシュバックされます。2位のマクドナルドは商品券をもらえる点が人気です。3位の吉野家は牛丼を食べられます。ちなみに大和証券では1000株持っている方に2000円相当のカタログギフトをお送りしています」(武田さん)
株主優待の実施企業は、年々増えているそう。「実施率は約36%。約3社に1社が株主優待を行っている割合です」(武田さん)
株主優待実施企業の推移。実施率=優待実施企業÷全上場企業×100。全上場企業は3,714社(REITを含む。外国株式、ETF、新株予約権、TOKYO PRO Marketは含まず)。2017年3月末日現在 大和IR調べ
そんなに株主優待が“熱かった”とは……。がぜん興味が湧いてきました。
「興味がある方は、大和証券のホームページの『株主優待検索』で検索してみてください。優待の種類、権利確定日が何月か、最低投資金額はいくらか、といった条件から、株主優待を実施している企業と詳しい優待内容を検索できます。ちなみに権利確定日とは、株主優待と配当を受ける権利が決まる日です。権利確定日が2つあれば、年に2回、株主優待と配当をもらえます。最低投資金額は、企業ごとに定められた最低売買単位(100株または1000株など)×株価で計算します」(武田さん)
話を聞くまでは、「株ってなんだか怖い……」と思っていた筆者ですが、株主優待や配当がもらえて10万円以下の小さなお金でも買えることがわかり、意外と身近なものだと実感しました。
※内容は2017年7月1日に行われたセミナーを元に作成しています。
(文/ひがししょうこ)