体型をきれいに見せるシルエットを意識
「style01」 ドレス「10」にカジュアル「3」を足した「I」ラインのお手本スタイル。
シャツ/ユニクロ タンクトップ/アタッチメント 靴下/ハッピーソックス 靴/ラウンジリザード
残りの一色はどんな色でもいいのですが、取り入れ方には注意が必要です。実は、色は「使っている面積と彩度」の割合でも、ドレスかカジュアルかが決まるからです。赤や緑などの鮮やかで彩度の高い色はカジュアルな印象が強いので、慣れないうちはバッグやソックスなど小さな面積に抑えたほうがいいでしょう。逆にネイビーやボルドーなどのシックな色は、ジャケットやニットなど大きな面積で取り入れても問題ありません。
ちなみに私が下半身を黒でそろえることをおすすめする理由はもう一つあります。例えば黒で細身のスラックスに黒の革靴を合わせると、パンツとシューズの境界線がボケて、パッと見たときに一体化して見えるので、足が長く見えるという「視覚効果」が得られるのです。日本人の胴長短足体型をごまかすことができるので、ぜひボトムスとシューズの色はそろえるように意識してください。
―― 「まずはボトムスが大事」の意味がかなり分かってきました。ボトムスは細目のパンツとのことですが、ゆるめのパンツではダメなんでしょうか?
MB ダメではないのですが、初心者はシルエットを「Iライン」で合わせることから始めたほうが分かりやすいです。これが三つ目の「シルエットは『I』『A』『Y』で整える」ですね。
シルエットって、「I」「A」「Y」が体型をきれいに見せる基本なんです。
□ 「I」は、トップスが細く、ボトムスも細いシルエット
□ 「A」は、トップスが細く、ボトムスが太いシルエット
□ 「Y」は、トップスが太く、ボトムスが細いシルエット
「style02」 「A」ラインシルエットのアメカジスタイルをシックな色で合わせることでドレス寄りに。
Tシャツ/ユニクロ パンツ/ディスカバード 靴/アディダス
例えば、「I」ラインは、上下とも細いシルエットなので、シュッとした白いシャツに細身のスキニーデニムを合わせれば出来上がりです(style01参照)。
「A」ラインは、上が細く下が太目のシルエットなので、ゆったりとしたパンツに細身のTシャツなどを合わせる(style02参照)。「A」のごとく下に向けて広がった形が確認できると思います。
「Y」ラインは「V」とも形容されることがありますが、上がゆるく、下が細い形になります。例えばゆったりとしたTシャツに細身のスキニーデニムを合わせることで「Y」の字のようなシルエットが構築されます(style03参照)。
しかし、「A」や「Y」はやや上級者向けで、中途半端にやると失敗しやすいコーディネートでもあります。一番手っ取り早いのは「I」ラインなので、まずは細身のボトムを手に入れることから始めることをすすめている、というわけです。
「style03」 「Y」ラインのストリートライクなスタイル。
帽子/キジマタカユキ リュック/sixe Tシャツ/ディスカバード パンツ/ヌーディージーンズ 靴/無印良品
ただし注意点があって、例えば細身というだけでチノみたいなベージュカラーを入れてしまうと、膨張色になって細身がちょっと中途半端になってしまいます。細く見える黒、さらにシルエットも細いものを選ぶことで、キュッときれいな足元ができるので、そうするとトップスがゆるめのものでも、細めのものでも、サマになるんです。
―― 何から何まで目からウロコ、という感じですが、今日はここまで。次回以降はコーディネートの大原則と三つのルールを踏まえたうえで、より具体的なコーディネート例やおすすめするアイテムをご紹介していきます。
(文/北野啓太郎 撮影/川田雅宏 style01、02、03は本多誠)