バリエーションはネクタイで。柄は控えめで2カ所まで
MB スーツはシルエットが命なので、サイジングにはしっかりとこだわってください。高級なスーツを買っても、スラックスの裾にクッションが付いてシワが寄っていたり、ジャケットの袖が長くてちょっとダボついていたりすると、もう台無しです。
それはワイシャツも同じことです。購入時は毎回採寸して、今の自分の体形に合ったものを選ぶのが重要です。襟ぐり(首回り)が余っていると、ネクタイを締めたときに変なシワがいっぱいできるのですが、それが一番カッコ悪い。また、ワイシャツの長さは手を下ろしたときに、ジャケットからシャツがほんの少し見えるくらいがベストですね。
あと、ジャケットのラペル(ジャケットの上襟から続く、胸元の下襟部分)の幅と、ワイシャツの襟の幅を合わせるのも鉄則です。ラペルは細いのに、中に着ているワイシャツの襟がやたらとデカイとアンバランスになってしまいます。ラペルが細ければ、ワイシャツの襟も細くする。ダブルのジャケットでラペルがぐっと太かったら、ワイシャツの襟も重厚な太めのものを選ぶ。全体で統一感を出すことが大事です。
―― スーツに遊びは必要ないということはよく分かりましたが、いくらサイジングをきちんとしても、すべて無地だとやっぱり少し味気なくないですか?
MB その場合は、ネクタイで変化をつけるくらいにとどめてほしいのが本音です。ネクタイも、基本的には無地のほうが完成形には近いのですが、毎日スーツを着ている人としてはバリエーションも必要でしょう。ただし、他のアイテムとのバランスを忘れないでください。
スーツスタイルで柄を入れられるのは、スーツ、シャツ、ネクタイの3カ所。この3つすべてに柄を入れるのはNGです。例えばスーツを薄いストライプ柄にしたら、ネクタイは無地にする、スーツが無地なら、シャツとネクタイを柄物にするなど、柄を入れるのであれば2カ所までに抑えてください。またあまり派手なのは控えたほうが無難です。
ただネクタイの色については、色彩理論で情熱や力強さを感じさせると言われる赤などのパワーネクタイを選んでもいいと思います。例えば、プレゼンのときは赤のネクタイを付けたり、営業に行くときは誠実さを感じさせる青を選んだり、部下と飲みに行くときは調和を感じさせる緑を選んだり。女性と話すときは、ピンクが優しさを感じさせるのでいいそうです。
―― そういう部分で自分なりの工夫ができると楽しくなりますね。会社によってはスーツ必須ではなく、クールビズやジャケパンスタイルで仕事をする人もいますが、その際に気を付けるべきこと、コーディネートのコツについて教えてください。