「産前と産後のセックスは別物」 変化を知って“落としどころ”を見つけていく
ママからの声で多かったのが「疲れていて、今はセックスどころではない」という意見。産後、気力・体力面の余裕のなさや、夫の態度に対する不満の声が目立ちました。1日24時間の中で、家事・育児に仕事に、さらに、子どもの教育に……と日々頑張るDUAL読者にとって、“セックス”の優先順位が下がってしまう時期があるのが本音のところかもしれません。
「産後のセックスに乗り気になれない」という働くママの本音に対して、産婦人科医で性科学者の宋美玄(そん・みひょん)先生は、「子どもの教育やキャリアビジョン、お金のことに関しては夫婦で熱い議論を交わせるのに、セックスの話題になるとどうしても“秘めごと”になりがち。夫婦生活は、夫婦関係の様々な部分が表れるとてもパーソナルなものであり、世間でよく言われている情報や典型的な回数、頻度だけで良し悪しを測れるものではありません。本質的には夫婦間のコミュニケーションが重要なので、『(疲れていて)乗り気になれない』という気持ちを夫に素直に伝えられるといいですね」とアドバイス。夫婦間でお互いの心の内を伝え合い、良好な夫婦関係のために“落としどころ”を見つけていく大切さを強調します。
ほぼ「ワンオペ育児」で、子どもが寝たら自分も休みたい……(日経DUAL読者アンケートより)
「そのうえで知っておいてもらいたいのは、産後はホルモンバランスの関係で、女性の性欲は減退するということ」と、宋先生。
「出産後は疲れを感じやすいだけでなく、授乳中は体力自体も低下します。さらに授乳や夜泣きなどで睡眠不足の傾向もありますし、慣れない育児に奮闘する中、産休・育休復帰後は、仕事上のプレッシャーもある状態。セックスをする時間の捻出自体が問題なのではなく、『その気になれない』ということは十分起こり得ます。そこに嫌悪感を抱く必要はなく、産後のセックスは産前とはまったく別の状態が始まるということを夫婦お互いに理解してもらいたいですね」