気持ちを安定させ、想像力や最後までやり遂げる力を育む

 一つはお料理です。食べることは本能に近いことですから、どんなお子さんにとっても興味のあることですね。

 そしてもう一つが絵本でした。子どもたちをよく観察していると、「気持ちが安定している」「自分でどんどん遊びを展開するクリエーティブな力を持っている」「何かに取り組むときに自分でイメージを膨らませることができる」「最後までやりきることができる」というお子さんに共通していたことは、「みんな絵本が好きだ」ということでした。

 絵本を読んでいるときの子どもたちは、ファンタジーと現実の世界を自由に行き来しながら、想像力を働かせて楽しんでいます。この繰り返しが豊かな想像力を育んでくれます。また、絵本を親子で一緒に読むことで、共感したり語彙を増やしたりすることができ、それによってコミュニケーション力が育まれていきます。何より親子の絆が深まりますね。そして、絵本に夢中になることで、集中力が生まれ、物語の最後まで読むことで、やり遂げる喜びを知ることができます。

 絵本好きの子どもたちが物事に前向きに取り組めるのは、絵本を楽しむことを通じて、自然と色々なチカラが育まれているからではないかと思います。

 では、どうすれば子どもたちが絵本好き、本好きになるよう、促していくことができるのでしょうか。

 次からご紹介するステップごとの方法を実践すれば、どんなお子さんもきっと絵本好き、本好きになってくれることでしょう。

 大切なのは子どもの発達状態を確認しながら、ステップを進めていく、ということです。あえて、目安の年齢を、実年齢ではなく、どのくらい絵本を楽しめるようになっているかという「絵本年齢」としているのはそのためです。