うちが幼稚園&小学校、中学、高校受験を考える理由

 どのタイミングで受験するか、公立か私立かなどの判断基準は様々だが、大きく分けて人間関係、学習面、経験値、経済面の4つが挙げられる。

●できるだけよい人間関係の環境におきたい

 幼稚園&小学校の受験や中学受験をさせる親にとって、安心できる人間関係が期待できることが、大きなポイントの一つ。

 「力のある子だけに、いい環境で志が高い仲間に揉まれて人生をつかみとってほしい。結局、人生を変えるのは人」(小5、中学生以上)、「将来の結婚、仕事や友人関係の視野が広がる」(小6、中学生以上)。最終的にいい大学に入ることが人間関係の上でもメリットがあると感じている親は多く、「学歴がすべてではないが、やはり早慶レベル以上の優秀な人たちと一緒にいてほしいという思いがある」(小6)などの声がきかれた。

●将来を見越して確実に学力をつけさせたい

 「一定以上の大学に進学できる学力、精神力がないと自活できる大人にならない」(小1、小3)、「(自分が)現在の生活に満足できているのは、学歴のおかげ」(小5)というように、一定レベル以上の大学進学をすることが将来の目標の一つと考える親も多い。

 その中で「中高一貫校は体系的に学びができるし、途中で受験を気にしなくてよい」(年中、小4)という部分に魅力を感じている親や、「ある程度勉強ができる子どもなので、中低レベルの学校には進学させたくない。公立中学で内申点に苦労するより、小学校のうちに頑張って中高は勉強ややりたいことに打ち込ませたい」(年中、小2)、「記憶力のよい小学校高学年から中学前半に、基礎的な勉強をしっかりして頭を鍛えるのが効率的」(2歳、年中)と、できるだけ子どもの学力を伸ばす環境を整えたいという意見も見られた。

●いろいろな経験が将来の自立につながる

 多様な人がいる環境で学ぶ公立小学校、中学校だからこそできる経験をさせたい、もしくは中学受験して中高6年間は勉強以外のことにも熱中してもらいたいなど、子どもに経験させたい内容も様々だ。

 「公立中高一貫校は大学受験を視野に入れつつユニークな教育プログラムが魅力」(年中、年長)という声がある一方で、「小学校受験、中学校受験は“特定の家庭”しかしない。世の中には色々な家庭や価値観があるので、地元の公立学校で幅広い経験と友人を得てほしい」(2歳)という意見も。

 「色々なことに挑戦してほしいと思っているので、難関大学、海外大学などに進学してもらいたい」(年中、小2)、「中高一貫校で、留学を1年経験させたい」(小4)など、子どもの経験の幅を広げてくれる海外留学・進学への意識も高い。

●どこまで負担できる? 高い塾代や学費

 進路を考える上で、現実的に経済的なサポートをどこまでできるかはシビアな問題だ。「私立では学費がかかりすぎる」(小4、中学生以上)、「費用面から公立の進学校へ進ませ、大学・専門学校では最大限費用を援助したい」(小3、小6)、「私立中高一貫校を希望するが、正直金銭面で不安」(小5)など、小・中・高のいずれからかの私立進学は教育費がかかりすぎるので、公立でコストを抑えて大学進学・海外留学、もしくは中高私立に進み大学は国公立などを希望する家庭も多い。「3学年違いの3兄弟。子どもの教育費については貯蓄面で不安」(小3、小6、中学生以上)など、きょうだいの数が多いほど、経済的不安は大きい。