「育児中でないと残業が断れないと思い込んでいる」

 続いてはオンライン参加者に賛否の理由を書いた紙を一斉に掲げてもらい、何人かに話を聞くことに。「自分で決めるのが当たり前になるまで」と書いた栃木のDUAL世代の女性は、賛成の理由について次のように発言しました。

 「以前勤めていた会社で子どものお迎えのために残業せず働いていたら、同僚から『いいよな、早く帰れて』と毎日のように嫌味を言われた。残業は強制ではないし、上司に相談してみてはと聞いても『自分は子どももいないし無理』と。育児などの理由がないと残業が断れないと思い込んでいる人が多いうちは、会社が働く時間を強制的に決めるのも必要ではないでしょうか」

 育休中で夫の駐在に帯同しているというシリコンバレー在住の女性は、管理職や駐在員にもガイドラインが必要だと主張しました。

 「ここでの男性の働き方を見ていると、夜も日本や他の地域との電話会議や何百通ものメール対応があって、昼夜問わず仕事をしていることが多い。家族への影響も大きく、乳幼児がいる家庭ではパートナーがワンオペになりがち。私のように夫に帯同している妻たちはスキルアップしたくても時間が確保できません。

 管理職や駐在者の働き方に法的な規制はないけれど、企業ごとにある程度、働き過ぎにならないためのルールを設けることも必要かなと思います」

「子育てだけに関わらない制度設計」が必要

 離れた場所にいる女性たちが同時につながり、それぞれの立場や経験を踏まえた多様な意見が提示された今回のセッション。最後は羽生編集長の次のような言葉で締めくくられました。

 「今回は子育て中の方の意見が多かったですが、未婚やDINKSの方もたくさんいらっしゃる。全員に同じような機会が適用できる環境づくり、子育てだけに関わらない制度設計というのがポイントになるのではないでしょうか。

 Terraceは勝ち負けではなく、いろんな意見を堂々と言える場を作りたいと考えてできたもの。短い時間でしたが、今回はそれを体験できたかなと思います」

取材・文/谷口絵美 写真/鈴木愛子