2019年4月23日に行われた「日経BP50周年記念フォーラム」。『日経xwoman』誕生!~すべての世代の働く女性が輝くために~』と題して、働く女性を応援する数々のプログラムが開催されました。その中のひとつが、橋本聖子氏の講演です。テーマは「女性活躍とSDGsゴール5:ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを実現するために」。日本のSDGsゴール5の達成度は、残念ながら世界の水準から遅れをとっています。国、企業、そして働く女性は今、何をなすべきなのかを、橋本さんはご自身の経験に基づいて、わかりやすく解説してくださいました。

3つの病気と「向き合ってきた」
「私は今年55歳になります。前の東京オリンピックの開会式の5日前に生まれて、父にオリンピックの選手になるように聖子と名付けられました。7回出場し、携わったもので言えば16回。オリンピックは、いわばライフワークです」(橋本さん)
しかし橋本さんは、小学校3年生の後半から急性腎炎で入院し、高校3年生で続発性慢性腎炎を発症しました。PTSDで呼吸筋不全症を併発し、そして医療事故でB型肝炎になってしまいます。
その3つの病気と戦うのではなく「向き合ってきた」と言う橋本さん。さらに橋本さんが現役選手だった頃は、月経がないことも「それだけ体を酷使してるんだからいい」と褒められた時代。それでは人生設計を断念せざるを得ないわけで、「そこも国がしっかりしなくてはいけない」と語りました。
そして橋本さんは「絶対に国会議員になりたい」という信念のもと、30歳で立候補します。しかし、母としてPTAに参加して感じたのは、現場と永田町のギャップ。そして、不妊治療で3人の子どもに恵まれるも、参議院議員現職としての出産は初めてで「私が生んだ時は議事堂本館には女性のトイレすらなかった」とのこと。その後、「復帰した時に政策に結びつけなければ、初めて出産する国会議員の役割を果たしたことにならない」と、法整備を進めたのです。
「日本の精神文化力を引き出すのは女性が活躍し輝けることです。これからもご指導を賜りますように。女性の活躍を祈念いたします」と、橋本さんは話を結びました。
