グローバル基準の子育て
1970年代に女性でありながら、中学校で男子生徒に交じってサッカー部に入って以降、女子サッカー草創期に中心となって活躍してきた岡島喜久子さんの人生は、まさに規格外のスケール感です。
早稲田大学在学中、サッカー日本女子代表として国際試合に招かれた経験を機に、女子サッカー連盟創立に奔走。当時、学生の身でありながら理事、その後は事務局長に就任しました。それから40年以上たち、2020年には日本女性プロサッカーリーグ「WEリーグ」の初代チェア(代表理事)に就任し、話題となりました。
一方で、在学時には交換留学を経験。卒業後はサッカーの練習との両立のために、当時は珍しかった外資系企業への就職を選び、以降は海外を中心に38年間にわたって金融業界でキャリアを積んできました。
プライベートでは、仕事を通じて出会った米国人の夫との国際結婚を機に渡米、1女1男を育ててきました。現在、29歳の長女はニューヨークで出版エージェントの仕事を、26歳の長男はシカゴで金融機関に勤めています。
サッカー選手としては89年に日本のチームを離れた後、米国で活躍。引退後は、長男の所属する地元のチームで長年にわたりコーチを務めるなど、大好きなサッカーにライフワークとして携わってきました。「他人と比べて自分が優れているという根拠はなくても、『私にはできる』と思うことが大事」と話す岡島さん。これまで、自分の気持ちに一切蓋をすることなく、持ち前の行動力と決断力でキャリアを築き、「人生という道のりを楽しんできた」と言います。
「『子どもの人生は子どものもの。同時に親の人生は親である私のもの』という考えがいかに大切であるか」を、米国で暮らす中で一層強く感じてきたと言う岡島さん。親は子育てに比重を置きすぎないという考えは、持っておくべきだと言います。
・幼稚園時代から漫画読み放題。「おかげで就学前から漢字が読めた」
・就職もサッカーを優先し、土日が休みの外資系金融機関に照準。「一生働く」ため、転職では「大手企業を意図的に避けた」
・お金は「家族がハッピーでいる」ために使うことが大切
