コロナ下で家で仕事をすることが当たり前になってきました。共働き夫婦の在宅率が上がり、ママとパパが同時に家事をすることも増えているでしょう。そこに、子どもの遊びや勉強が加わって、家の役割がこれまで以上に大切になっています。そこで本特集では、「仕事・家事・子ども」の3つを軸に共働き家庭の家づくりを考えていきます。幼児期から実践できる「頭のいい子が育つ家づくりのルール」や、片付け時間が取りにくい共働きの「汚部屋」解消術などをプロに聞くほか、働きやすさと子育てのしやすさを落とし込んだ共働きの家の実例も紹介します。どうぞご期待ください。

自分らしく働き、暮す、頭のいい子が育つ共働きの家づくり

共働き子育て中の家が片付かない理由は?

 仕事から帰ってきてため息をついてしまうことはありませんか。

 「何でうちってこんなに片付いていないのだろう。玄関には靴が散らかっていて、靴箱もいっぱい。リビングのテーブルは、子どもの保湿剤から文房具まで出されたままで雑然としている。床にはおもちゃや子ども服。取りあえず使わない物を置いてきた空き部屋も、入り口までしか入れない『汚部屋』になってしまった……」

 ここまでではなくても、家の中に物がいっぱいで片付けきれないと悩む人は多いでしょう。収納のプロとして多くの家を訪れている宇高有香さんは、共働き子育て家庭に多い悩みの原因を次のように説明します。

 「子育て中は子どもの成長に伴って服やおもちゃが短いスパンで変わっていきます。その際、整理して必要な物だけを残していれば物は増えません。しかし、働く親は日々をこなすだけで精いっぱいで、見直しの時間を取っていない方が大半です。そのためどんどん物が増えていってしまうのです」

 そのときに「置くところがないから空いているスペースに置こう」「将来の子ども部屋が空いているから、あそこを取りあえずの荷物置き場にしよう」などというその場しのぎの思い付きが「汚部屋」につながると宇高さんは指摘します。

 宇高さんは、「汚部屋を解消し、家全体を暮らしやすく変えていくには『すべて取っておく』という考えは手放したほうがいい」とアドバイスします。とすると「捨て方」が大事だと思われがちですが、「不要な物を捨てる」というマインドを手放したほうが、スムーズに片付けが進むそうです。

 また、お手本にすべきは共働き家庭になじみが深い、保育園の片付け法だとも。保育園のおもちゃの置き方や片付け法には、家事を家族全員でシェアする共働き家庭にとって理想の収納のヒントがあるそうです。詳しく聞いていきましょう。

【この記事で読める内容】
●保育園が死守している、収納で大切な2つのポイント
●「物を捨てられない人」が持つべき視点は?
●親が思い入れのある物は、子どものスペースにしまうべきではない
●進級前や誕生日前が、片付けに適したタイミング
●パートナーが片付けに前向きではないときは?