地方で働く私たち ~嘆きと希望~
-
1女性活躍が進んだって本当ですか? 地方の職場のリアル←今回はココ
-
2全社会議で司会をしたら社内騒然!地方で働く女性の嘆き
-
3「女性活躍」研修でまさかの茶道・華道 地方企業の現状
-
4エルピス渡辺あや テレビ局と政治の闇を島根で描いた
-
5脚本家渡辺あや 「おばさん」人材は社会の宝と確信した
-
6知られざる女性活躍先進県・徳島 働きやすさだけでない
大都市の大企業で進められている女性活躍推進は、日本全体ではどんな状況なのか。読者アンケートを実施したところ、家族のいる地元で働きたいと願う一方、希望の仕事に就けない、働く女性をサポートする制度やサービスの不足に悩む女性たちの声が寄せられた。
具体的な内容は記事後半で紹介するが、その前に地方の女性雇用創出に尽力するWill Lab代表取締役の小安美和さんに、地方における女性たちの働く環境の現状や課題などについて話を聞いた。
女性活躍の価値観がアップデートされない中小企業
小安美和さん(以下、小安) 地方で働きたい、生まれ育った地で働きたいというニーズは一定数あります。ただ、地方で自分の希望どおりの職業に就けるかといえば、都市部に比べ選択肢が狭いのも事実です。
2015年に女性活躍推進法が成立し、常時雇用する従業員数が301人以上の事業主を対象に女性が活躍できる行動計画を策定・公表するよう義務付けられました。22年4月1日からは101人以上の企業も対象になっています。
大企業の場合は女性活躍推進をしなければ人材確保が難しいだけでなく、国際環境の中でビジネスをしていたり上場企業として市場から資金調達していたりすると、女性活躍に力を入れていないと信用を保てない、投資家が離れてしまう、といったリスクがあります。
ですが、そうした外圧によるプレッシャーは従業員100人以下の企業では小さい。人口10万人以下の地方都市では、ほとんどの企業がそうした小さな規模の企業です。これが結果として地方で女性活躍推進の機運が高まりにくい要因です。
また、女性が働くにあたっての壁も、地方のほうが大きいと感じます。下は、女性が働くのを阻む5つの壁を図にしたものです。