「ダイバーシティ」や「女性活躍」が進んできたのは大都市圏の大企業だけ、地方企業や中小企業では女性がやりたい仕事をすることも多様性への理解も、強固に阻む壁が存在するという声があります。その一方で、地方だからこそ追求できる働き方がある、と話す人も。地方で働く女性の今について、嘆きと希望の両面から探りました。
地方で働く私たち ~嘆きと希望~
地方で働く私たち ~嘆きと希望~
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2全社会議で司会をしたら社内騒然!地方で働く女性の嘆き
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6知られざる女性活躍先進県・徳島 働きやすさだけでない
最近、地方で講演することも多い紫乃ママの元に、地方企業で働く女性2人がご来店。古い体質と下向きの同調圧力に悩んでばかりじゃ始まらない。もやもやしながら踏み出した1歩に紫乃ママも共感! 地方女子座談会、ますますヒートアップです!(「全社会議で司会をしたら社内騒然!地方で働く女性の嘆き」の続き)
タピオカ店に行列…都会のものが周回遅れでやってくる
紫乃ママ 恵美子さんは2回転職しているのよね。今の会社に入ってどれくらいなの?
恵美子 20年目ですね。2人目の出産で産休を取るときは、産休直前まで深夜残業していました。でも、その頃よりは残業も減ったし、地方の企業では働きやすいほうだと思います。
紫乃ママ いい流れには向かっているのね。
恵美子 上の世代が少しずつ退職して、企業の体質が変わってきたのかもしれないですね。でも、田舎だから保守的でスピード感がない。経理部は頑として紙の請求書しか受け取らないし、まだ「はんこ待ちの書類タワー」もあります。
紫乃ママ あは、DXはどこ吹く風か。どうしても改革のスピードには都会との時間差があるのかな。そろそろタピオカが来た感じ?……みたいな(笑)。
恵美子 いや、本当に今、タピオカ全盛期で行列もできてますよ。マリトッツォの波はまだ来てませんから。やっぱり都会と時差があります。
圭子 ちなみに私の町でもタピオカはまだ人気ですよ。
今日の来店客1/古川恵美子さん(仮名、52歳)
大学卒業後、20代で2回の転職を経験し、30歳のとき地元で「優良企業」といわれるIT系企業に就職。産休・育休を2度取得。経営が安定しているので福利厚生は充実しているが、仕事はハードで、働きがいはない。いずれは人材育成の仕事に携わりたいという異動希望は通らないままはや数年。
今日の来店客2/渡辺圭子さん(仮名、45歳)
地元短大を卒業後、地元の金融系企業に就職し、経理や総務を担当。会社は保守的な体質で女性は「女の子」扱い。5年前に総合職に転換したが、賃金や評価は男性との差が埋まらない。女性活躍推進の担当として奮闘しつつも、周囲との温度差に悩む日々。
紫乃ママ え、ごめん。100%冗談のつもりだった。まあ、タピオカと一緒にしちゃいけないけどさ。