何歳からでもチャレンジ!
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「CMのモデルなら私にもできるかも」
高度成長期に少女モデルとして活躍し、22歳でスタイリストへ転身。そして42歳で芸能プロダクションを開業――と、華やかな人生を送ってきた松本洋子さん。しかし、57歳の時、突如一文無しになってしまいます。食べるのにも困った末に、踏み出したのはシニアモデルの道でした。現在、すでにシニアモデル歴14年。「もうやりきった。思い残すことはない。あとは女友達とケアハウスでゆったりとした老後を過ごすだけ」と語る松本さんに、人生をしなやかに生き抜くヒントを教えてもらいました。
編集部(以下、略) 57歳で生活に困った時、なぜモデルを仕事にしようと思ったのですか?
松本洋子さん(以下、松本) すぐにモデルになったわけではなくて、その頃は昔買ったブランド物を少しずつ売りながら食いつないでいました。でも、それも底を突いちゃって。就職情報誌を買ってみたのだけど、肩書のない50代後半の私にできる仕事は、ほとんどなかったの。
ありがたいことに近所のレストランのランチタイムアルバイトに採用されたのだけど、稼ぎはたったの月2万円。マダムに残り物の料理を持たせてもらえて、食事面ではずいぶん助けられたけど、生活が苦しいのは変わりませんでした。
松本 どうしようかと思ってぼんやりテレビを見ていた時、シニアがテレビCMに頻繁に登場しているということに気づき、「これなら私にもできるかも!」とひらめいたんです。
すぐに信頼できそうな実績のあるモデル事務所を探して、写真を送りました。昔モデルをやっていたことは伝えなかったのだけど、すぐに契約させてもらえました。それが今も所属している事務所です。
それからいろんな所にオーディションに行き、ラッキーなことにすぐにたくさんの仕事が決まりました。それも大手企業のCMばかり。
あとから分かったことなのだけど、企業というのは常にニューフェースを探しているんです。さらに、ちょうど多くの企業がシニア層をターゲットに商品を展開し始めた時期と重なったということもあり、採用されやすかったのだと思います。
20歳、大企業CM収録ドタキャンで干される
―― 少女時代にモデル経験があったそうですね?
松本 中学生の頃、近所に住んでいた小学生の女の子が子役の仕事をしていて、その子のお母さんから、お姉さん役で伊勢丹のポスターのモデルをやってくれないかと頼まれたんです。それがきっかけでモデルの世界に入りました。
そこから5年間、大きな仕事もたくさんして、テレビにも出てアイドルっぽいこともし始めた頃、大失恋のショックから仕事に大きな穴を開けてしまったの。なんと、有名監督が撮り下ろす予定だった大企業のCM収録を当日にドタキャン!