コロナ下で起業・フリーランスへの道はますます身近になりました。「子育てと仕事のベストバランスを目指したい」「好きなこと・得意なことに特化して働きたい」「新サービスを世に出して、社会に貢献したい」…理由はさまざまだとしても、起業・フリーランスに挑戦してみたいとチラリとでも考えたことがない働く親は、むしろ少数派かもしれません。さらに、「フリーランス同士でチームを組む」「起業した後、会社員に戻る」など、従来のフリーランスや起業のイメージにとらわれない、柔軟な働き方も選択できるように。一方、ハードルが低くなったとはいえ、起業やフリーランスに一定のリスクが存在するのもまた事実です。家族の生活や子どもの教育費など守るべきものが多い共働き親が、起業・フリーランスを目指すとき、どう準備し、どんなマインドを持って挑めばいいのかを探っていきます。

育児・家事・教育費…共働き家庭だからこその起業・フリーランス

 リクルートキャリア(現リクルート)の社員として働きながら、女性3人で女性のビジネス系フリーランスエージェントの先駆けであるWaris(ワリス)を起業し、現在は共同代表として活躍する河京子さん。2016年に福岡へ移住した後もリモートで経営に関わりながら、22年には医療領域で新しく起業するなど活躍を続けています。プライベートでは2人の子のママでもあります。

 河さんは、多くのフリーランス女性と企業をマッチングしてきた経験から、「フリーランスは自由を手にできる一方で、営業活動や価格交渉、スキル開発・キャリア開発などの様々なことを、自分で手掛けることになります」と話します。

 けれども、フリーランスであっても会社員であっても、自分の成果をアピールしたり、賃金やギャランティの値上げ交渉をしたりすることに対し、抵抗感や苦手意識を持つ人は少なくないのではないでしょうか。特に女性は日常的に自分を過小評価し、自分の業績を低く見積もる傾向があるといわれています。思い切って独立し、フリーランスになっても、自分を過小評価したままだと、「価格交渉ができないために、すぐに買いたたかれてしまう」「適正な値付けの仕方が分からない」など、様々な悩みが出てきがちです。

 そこで河さんに、起業・フリーランスの道を歩み出した人、目指している人が、「私なんて」と悩まずに、正しく自分を売り込み、キャリアアップ・スキルアップをしていく方法について聞いていきます。

正しく自分を売り込み、キャリアアップするために知っておきたいこと
・「自分には人より秀でたところは何もない」と思う人が、着目すべき点は?
・仕事の単価は、「もしものとき」に備えて、あらかじめ上乗せする必要がある。「自分の値段」の算出法
・フリーランスに転身後のキャリアアップに役立つ3つの方法