コロナ下で起業・フリーランスへの道はますます身近になりました。「子育てと仕事のベストバランスを目指したい」「好きなこと・得意なことに特化して働きたい」「新サービスを世に出して、社会に貢献したい」…理由はさまざまだとしても、起業・フリーランスに挑戦してみたいとチラリとでも考えたことがない働く親は、むしろ少数派かもしれません。さらに、「フリーランス同士でチームを組む」「起業した後、会社員に戻る」など、従来のフリーランスや起業のイメージにとらわれない、柔軟な働き方も選択できるように。一方、ハードルが低くなったとはいえ、起業やフリーランスに一定のリスクが存在するのもまた事実です。家族の生活や子どもの教育費など守るべきものが多い共働き親が、起業・フリーランスを目指すとき、どう準備し、どんなマインドを持って挑めばいいのかを探っていきます。

育児・家事・教育費…共働き家庭だからこその起業・フリーランス

必要なのはロジカルな受注戦略

 フリーランスで大変なのは「稼ぎ続ける」こと。どんな仕事をどこからどのように受注するか、そして自分の仕事をどのように広げていくかといった戦略を立て、セルフマネジメントを行っていく必要があります。

 今回話を聞いたのは城みのりさん。6年半前にフリーランスのリサーチャーとして独立し、5年前に会社を設立、現在は法人としてリサーチなどの業務を受注しています。ここに至るまでには、城さんなりの試行錯誤があったといいます。

 「もとはメディカル領域のリサーチ会社に勤務していました。出産後、仕事と育児の両立の大変さから体調をくずしてしまい、とても両立生活は自分にはできないと感じ、復帰後1年4カ月で会社を退職しフリーランスになりました。

 とはいえフリーランスのリサーチャーとして一本立ちできるかどうかが不安だったため、当初は週2日程度、派遣でリサーチャーの仕事をしながら、副業で可能な範囲で自分でも仕事を受注できればいいなと思っていました」

 そんな城さんが、「受注できればいいな」といった受け身の態度から一転、自分から積極的に仕事を取りにいくようになったきっかけは、「フリーランスでも人と組んでいい」ことに気づいたことだったそう。そこからは、どんな案件をどんな割合で受けるべきかといったロジカルな「受注設計」を行うようになり、特にほしい仕事については、あるものを「投資」する意識を持ち、自ら戦略的に「取りにいく」ようになりました。城さんの受注戦略のポイントは以下の6つ。詳しく聞いていきましょう。

【城さん流 フリーランスとして安定的に仕事を受注していくための受注戦略 6つのポイント】

1:フリーランス同士でチームを組み、受注する
2:仕事をぎっしり詰め込まない。「○割」の余白時間を残す
3:「継続案件」と「単発案件」を組み合わせる
4:取りたい案件に関しては、「投資」意識と「回収」意識の両方を持つ
5:自分に「明確な○○付け」をする
6:「対等なパートナー」として意識してもらうために○○○する