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きっかけは長年の体調不良
2人目の子どもを出産後に、薬膳の勉強を始めたという薬膳料理研究家の谷口ももよさん。身近な食材を使い、おいしく簡単に作れる薬膳レシピを多数考案している。
薬膳を学ぶきっかけとなったのは、自身の長年にわたる体調不良。薬膳の資格取得を目指すも「専業主婦だったので、肩身が狭い思いをしていた」という。現在は薬膳の料理教室を主宰し、さらに薬膳協会を自ら設立。谷口さんはどのように学び、どのようにキャリアを築き上げていったのだろうか。
谷口さんは新卒で輸入商社に就職後、印刷物などを手がける制作会社を経て広告代理店へ転職。仕事は激務で帰宅時間も遅く、夕食は外食かコンビニエンスストアで買って間に合わせる毎日だった。もともと不整脈があり心臓が弱かったという谷口さんは、ある日夜中に突然ひどい動悸(どうき)がして、呼吸ができなくなってしまう。
「病院に着いた頃には発作は落ち着き、『心電図に異常が見られないから、病名が付けられない』と言われてしまって。若かったこともあり、診断結果は『ストレス』。その後も仕事は忙しく、体をだましだまし、やり過ごしていました」
その後30歳で結婚し、第1子出産直前に退職。体調は落ち着いていたが、「何とかしなくては」と思ったのは、第2子を出産した34歳のとき。原因不明のめまいが続いたのだ。
「子どもたちは元気に育ってほしい。それにはまず母である私が健康にならなくてはと思ったんです。家族みんなで、体に良くおいしいものを食べたい。そこで、食事で体質を改善していこうと決意し、何が体に良いのかを学ぶことにしました」