団塊ジュニアたちもアラフィフに入り、就業率の高い「更年期世代」(45~54歳)の働く女性は748万人(労働力調査・2021年)で、働く女性の約4分の1を占めています。慢性的な労働力不足の今、更年期女性が働きやすい環境をつくることは、働く女性の側だけの問題ではなく、働いてもらう企業側にとっても重要な課題です。「更年期×働く」の現在を両面から追います。

働く私の更年期

 女性ホルモンのゆらぎによって起きる更年期のさまざまな症状。日本人の平均閉経年齢は50歳前後なので、閉経をはさんだ前後5年、仕事での責任が増す45~55歳が更年期世代に当たります。生理と違って周期や予兆がなく、症状が長引きやすいのが更年期障害の特徴。働く女性にとって、更年期の症状は仕事にどんな影響があるのでしょうか。また、仕事の現場でどう乗り越えればいいのでしょうか。「更年期と仕事」に関する読者アンケート(調査概要は記事末に記載)を実施し、リアルな声を聞きました。

会議中に汗が止まらず恥ずかしかった

 ひとくちに更年期といってもさほど変化なく過ごせる人がいる一方で、仕事に影響を及ぼすようなつらい症状に悩まされたという人もいます。今回のアンケートで更年期になんらかの症状を感じたことがあると回答した人(63人)のうち、「仕事に影響した」は75%。中には症状が悪化して休職した人や、退職せざるを得なかったという声もありました。アンケート母数は決して多くありませんが、寄せられた症状は実にさまざまです。

 更年期に多いといわれるのが急に体がカーッと熱くなるのぼせやほてり、発汗といったホットフラッシュ。特に会議や打ち合わせ、商談など、突然の汗に悩まされるケースが多くありました。

「汗を大量にかいて、オフィスの自席に着いてもなかなか汗が引かず、すぐに仕事を始められなかった」(51歳)

「ホットフラッシュがひどく、特に会議など緊張する場面で汗が出てしまって恥ずかしい。認知能力が衰えているせいか、以前はなかったようなうっかりミスをすることが増えた」(52歳)

「会議中など場所・状況を問わず、突然汗が止まらなくなった。汗が気になって仕事に集中できなくなった」(58歳)

「ホットフラッシュが30分おきにやってきて、汗がダラダラと止まらず、打ち合わせや会議などで特に恥ずかしかった。同時に、動悸(どうき)も激しくなり、サウナでのぼせたような状態になるので、頻繁に仕事上の思考が妨げられる日々が続いた。就寝時も同じようにホットフラッシュが起きるので、寝付くまで2~3時間かかり不眠状態になって、日中も以前ほど頭が回らなくなった」(50歳)

 ほてりや熱っぽさだけでなく、冷えを感じることもあり、体温調節がうまくいかずオフィスワークに支障をきたすこともあります。

「外気温に対して暑いと感じるというよりも、自分が発熱してぼーっとする感じの暑さを感じることがある。疾病で発熱したときの状態に似ており、仕事をするのが難しいこともあるため、半休をとることが増えた」(47歳)

「一人で暑いのでエアコン温度を下げたら、他のスタッフが寒がっていた」(51歳)

「朝から頭痛がひどくなったり、仕事中に汗がガンガン顔に流れてきたり、冷えて着込んで使い捨てカイロを貼っても追いつかなかったり、寝ようと思っても心臓がバクバク動悸がして眠れなくなったりで疲れがとれない」(45歳)
ホットフラッシュは、急に顔が熱くなったり、汗が止まらなくなったりする更年期障害の代表的な症状(写真はイメージ)
ホットフラッシュは、急に顔が熱くなったり、汗が止まらなくなったりする更年期障害の代表的な症状(写真はイメージ)

 ホットフラッシュ以外にも頭痛やめまい、肩こりなど、さまざまな不調が起きて、寝込んでしまったり、仕事に行くのが困難だったりすることもあります。