働く私の更年期
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人と話すのさえおっくうで、1on1もつらかった
更年期世代は、管理職やリーダーを任されやすい世代でもあります。そんな皆さんは、責任ある業務をこなしながら、どのようにして更年期症状と付き合っているのでしょうか。今回は、その渦中にあるという日本航空のグループ企業で管理職を担う服部幸子さんに、仕事との両立について話を聞きました。
編集部(以下、略) 服部さんは、現在50歳で、約1年前から更年期症状を感じ始めたということですが、どのような症状が出ているのでしょうか。
服部幸子さん(以下、服部) 肩こりや頭痛、手足のしびれなどさまざまな症状がありますが、一番つらかったのはメンタル不調でした。訳もなく気持ちが落ち込んで、モヤモヤすることが多くなり、普段の業務をこなすことはできたのですが、新規の仕事を始めるときのパワーが全く出なくなったんです。
また、部下のモチベーションを上げないといけないときは、自分のモチベーションが下がっている状況で人の分まで上げるということができず、とはいえ投げ出すこともできず、とても苦しかったです。「人と話すことがおっくう」という日もあり、1on1ミーティングをするのさえつらい日もありました。
―― 症状が出始めたとき、「更年期だ」とすぐに気づくことはできましたか?
服部 いえ、最初は認めたくないという気持ちもあり、業務が忙しいから疲れているんだと思うようにして、目を背けていました。
―― 「認めたくない」という気持ちの背景にはどのようなものがあったのでしょうか。
服部 私には20人の部下がいて、小さくはないその組織を引っ張っていかなくてはいけない、そのためには元気でいなくてはという気持ちがありました。それに「更年期」になるともう第一線を退かなければいけないというイメージを持っていたんです。私には実現したい夢があって自ら管理職を希望し、試験を受けて今のポジションに就くことができました。だから簡単に諦めたくはなかったんです。
―― どんな夢を持って、今の業務に臨んでいるのですか?
服部 心理的安全性が高い組織をつくりたいという思いです。管理職になりたいと思ったとき、社内に組織をまとめる管理職の女性は数人しかいませんでした。でも、女性の管理職にしかできないことは、きっとあると確信していたんです。