「わが子が気になる」ときの出口戦略
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1わが子の言動「気になる」親がすべきは叱責ではない←今回はココ
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2特性を持つ子らの子育て どんと構えてこられたわけは
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3勉強が苦手でも、家では自尊感情傷つけない声かけを
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4むしろ中学受験すべき? 「気になる子」の進路
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5生きづらかった前半人生 劣等感を脱したきっかけは
わが子に「是正」を求め、叱責を続けても事態は改善しない
「あまりに忘れ物が多すぎる」「字が壊滅的に汚い。漢字が全然覚えられない」「内気すぎて、友達をつくることができない」「場を凍らせるような発言をしてしまう」……。子育てをしている中で目に付く、わが子の「気になる」言動。みなさんはどのように対処しているでしょうか。
もしかすると、インターネットで気になる点を検索して、何かしらの障害や疾患に当てはまるのではないか、などと確かめる人もいるかもしれません。そして、それらにみられる特性として書かれている項目にわが子が1つでも当てはまると、「やっぱりそうなんだ」と思い込み、より不安に思ったり、自身の子育てに悪い点があったのではないかと思い悩んだりする人も少なくないと思います。

本記事では国立成育医療研究センターで副院長やこころの診療部統括部長を務める子どものこころ専門医の小枝達也さんと、白梅学園大学子ども学部教授の市川奈緒子さんを取材。子どもの言動が気になったときに、親が知っておきたいことや心がけたい対応について聞きました。
小枝さんによると、子どもの言動が気になる親の中には、言動の要因に目を向けず、「ああしなさい、こうしなさい」などと是正を求め、期待にそぐわない言動があると「どうしてできないの」「お友達はちゃんとできているのに」と叱責や非難を重ねてしまうケースも少なくないとのこと。しかし、それは、子どもの心を傷つけ、子どもが生きづらさを感じてしまう原因になるだけでなく、親自身の自己肯定感をも低下させ、子育てが苦痛でしかなくなるなど、さらに事態を悪化させる可能性もあるといいます。
では、気になる言動をする子どもに対して、親は叱責ではなく、どのような対応をとるべきなのでしょうか。小枝さんと市川さんは「どんなに不安を感じても、まずすべきは子どもに対する叱責ではなく、言動の背景を理解しようとすること」と口をそろえます。詳しく聞いていきます。
・気になる言動の○○を見極めて
・子どもの○○になってあげることが、まずは大切
・親の大事な役割は、子どもの○○○を増やしてあげること