いろいろな「値上げ」が止まらない2023年。家計の負担は年間4万円の増加(22年度比)と試算されています。一方でキャッシュレスが浸透し、企業のポイント発行額の規模は1兆円を突破、今や疑似通貨としての性格を強めて見逃せません。そこで、家計簿アプリや各種ポイントの活用などで変わる家計管理の「シン常識」をまとめてご紹介。気になるFIREの準備にも家計管理は必須です。

家計の見直し&FIREのシン・常識

カードをポイントの「ためやすさ」で選ぶのはNG!

 食品、日用品、生活インフラなど、値上げが相次ぐ今、家計とともに見直しておきたいのがクレジットカードやポイントカードです。クレジットカードの他、デビットカード、電子マネーなど、さまざまな決済サービスが登場している中、どれが自分に合っているか分からなくなっている人も少なくないのではないでしょうか。

 ポイント交換案内サービス「ポイ探」の代表・菊地崇仁さんは、「カードや決済アプリを選ぶときはポイントの『ためやすさ』ではなく『有効活用できるかどうか』を判断基準にするとよい」と話します。

菊地崇仁さん ポイ探・代表取締役
菊地崇仁さん ポイ探・代表取締役
きくち・たかひと/ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、2011年3月代表取締役に就任。ためているポイントは帰省利用などに使うためANAのマイルが中心。メインカードはANA VISAカード、サブカードとしてビックカメラSuicaカード(Visa)などを利用中。PayPayや楽天ペイなど、コード決済も使いこなす。

 「多くの人は最初に『ポイントのたまりやすさ』を基準にカードや決済アプリを選びがちです。しかし、それは大きな勘違い。どれだけポイントがたまりやすくても、それらを活用できなければ無意味です。使わないうちにポイントの有効期限が切れてしまう、あまり行かない店や地域のカードを持っているなどに心当たりのある人は、この機に所有しているカードの見直しを行うといいと思います」

 自分に合ったカードや決済アプリを選ぶために有効な3ステップと現金支払いにこだわる人におすすめのカードの他、せっかくポイントをためても使いにくいカードを菊地さんに教えてもらいました。