「子育て中でも、仕事ができない人と思われたくない」「仕事の評価を落としたくない」と、小さな子どもを育てながらも、仕事で頑張りすぎてしまうママやパパは少なくありません。しかし、無理のし過ぎは禁物。仕事で一定の成果を出しつつも、子育てにもしっかり関わり、持続可能な働き方をするには、何をどう割り切り、どんなバランスで、どのように働くのがよいのでしょうか。事例や識者の取材、アンケート調査などを通じて、共働きママ・パパのキャリアの築き方の正解を探っていきます。

子育て中の「仕事の評価」向き合い方の正解は

半数以上が自分の感覚以上に低評価

 「子育て中でも仕事の評価を落としたくないと思い、時間をやりくりして取り組んでいる。そこそこの成果も残しているのに、思ったほど評価されていない」。自身の仕事への評価に対して、そんな感情を抱いている人はいないでしょうか? 「子育てが一段落するまでは評価は諦めている」と割り切っている人の中にも、自身の感覚以上に低い評価を受けていると感じる人もいるかもしれません。

 自己評価と他人である上司などからの評価は差があって当然な部分はあります。実際に800社以上の働き方改革や評価制度づくりを手掛けてきたコンサルティング会社、クロスリバー代表取締役の越川慎司さんは「子育て中かどうかにかかわらず、評価に納得感を持っている人は全体の半分以下しかいません」と話します。

 ただ、「近年は成果主義やジョブ型人事制度の導入によって、どれだけ時間をかけたかといった成果を出す過程よりも結果を重視する企業が増えています。つまり、子育て中など時間に制約がある人でも、評価を受けやすい状況となっているわけです。とはいえ、評価は上司の感覚に頼っている面も少なからず残っています。そこで自己評価と実際の評価のギャップが出てきてしまうのです」と続けます。

 では、どうすれば自己評価とギャップのない評価が得られるのでしょうか。もっと言えば、どうすればより高い評価を得ることができるようになるのでしょうか。

写真はイメージです
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 越川さんはこれまで関わってきた800社以上の会社で、評価を得ている上位5%以上の人の働き方を分析。その中で、仕事に対する能力の高さ以外にも、いくつかの共通点が浮かび上がってきたといいます。

 「上位5%の人が持っている仕事への共通の考えは『More With Less』。これは、より少ない時間でより大きな成果を出すということです。注目してもらいたいのは、この人たちがどのようにMore With Lessを達成しているのかというプロセス。そこには3つのポイントがあります」と越川さんは話します。

 「より少ない時間でより大きな成果を出す」働き方が実践できれば、働く時間が限られている子育て期の親でも高い評価を得ることが可能となります。詳しく聞いていきましょう。

「上位5%の社員」が実践している、「より少ない時間でより大きな成果を出す」ための3つのポイント

・上司とのコミュニケーションの頻度と密度を高める
・具体的な〇〇〇〇を設定する
・高頻度で上司や仲間に○○を報告し、周りからの○○○○を得る