私たち、大企業を辞めました ~準備したこと、すべきだったこと~
-
1浜田敬子「この仕事、やってて楽しいの?」見透かされた
-
2合コン300回も婚活失敗→安定の法務省→独立した理由
-
3IT大手→区役所職員→地方移住 今思う大企業の良さは
-
4島田由香 大好きな会社、でも自分のパーパスがまさった←今回はココ
-
550代で大企業→ソーシャルセクターへ、準備不足で挫折
-
6ストレスMAXで折れた奥歯 長野移住し人生取り戻した
若い世代に「働くって、楽しい!」を伝えたい
2016年にユニリーバ・ジャパンで、自分らしく働き、生産性を高められるよう、働く時間・場所を社員が自由に選べる人事施策「WAA」(Work from Anywhere and Anytime)を導入したのは、当時取締役人事総務部長だった島田由香さん。今ほどリモートワークが普及していない頃に打ち出したこの施策は、業界内外で注目を浴びました。
その後も、履歴書から顔写真をなくす採用方法をとるなど、一歩先を行く施策で日本企業の人事分野をリードしてきましたが、突如22年6月に同社を退職。やりがいのある仕事や大企業の重要なポストを手放す決断をしたのは、なぜだったのでしょうか。独立した今思うこと、そしてこれから目指す未来について話を聞きました。
編集部(以下、略) 島田さんがユニリーバを辞めたという話を聞いた時は、驚きました。周りの方もびっくりしたのではないでしょうか?
島田由香さん(以下、島田) そうですね。でも、ポジティブな理由なので、説明するとみんなすぐ納得してくれました。私にとってユニリーバは、今でもとても大切で大好きな会社です。でも、やりたいことがそれにまさってしまったんですよね。
―― やりたいこととは?
島田 大きく分けると4つの項目に分かれます。1つ目が、日本の働き方を改善したいということ。これは、ユニリーバ時代から信念として持ち続けてきたものですが、若い世代に働くということを、もっとポジティブなものとして伝えていきたいと思っています。働き方はもっと改善できると思っています。いまだ通勤時の満員電車が存在していたり、台風や地震が起きてもオフィスに来た人が英雄みたいに語られたりしますよね。でも、正直その時間とエネルギーって、無駄じゃないですか。それを仕事やもっと大切なことに回すべきだと思うんですよね。