子どもの不登校、自身やパートナーの病気や不調、仕事での行き詰まり……。長い人生には、「困難」が訪れる局面があります。「どうしよう」と悩み、「もうダメかも……」とうずくまることもあるかもしれません。けれど、立ちはだかる困難は、今までの自分から脱皮して、大きく成長するチャンスでもあります。今回の特集では困難に直面しながらも、視野を広げ発想を転換し、働き方や自身の考え方を変化させながら乗り越えた5人のストーリーを紹介します。

「もうダメかも…」と思ったけれど

新卒2年目に犯した「背筋も凍るミス」

 子育てしながら仕事を続けてきた先輩ママであり、現在はやる気スイッチグループの個別指導塾「スクールIE」で教室長を務める田宮敦子さんは、これまでの仕事人生の中で何度かピンチに陥ってきたといいます。けれども「『もうダメかも』と悩み、涙したこともすべて、『天職』である今の仕事への道筋だったんだなと思っている」と振り返ります。

 田宮さんのキャリアは、大学卒業後に就職した大手印刷会社からスタートしました。企画やデザインの部署を希望していた田宮さんですが、配属先は営業部門でした。当時はまだアナログの時代で、出版社からもらった入稿ゲラを印刷部門の工場に持ち込んだり、出張校正の小部屋で編集者やデザイナーと打ち合わせたりと、多忙ながら充実した日々を送っていたそうです。けれども入社2年目、田宮さんは大きなミスをしてしまいます。

 「見積もりの数字を一桁間違えて出してしまい、自社や取引先に大迷惑をかけてしまったのです。発覚したときは、まさに背筋が凍る思いでした」

 しかしこのピンチが、田宮さんの最初の転身のきっかけとなったのです。

田宮敦子(たみや・あつこ)さん。やる気スイッチグループの個別指導塾「スクールIE」仙川校の教室長。1965年大阪府生まれ。さまざまな業種・職種経験を経て2018年に同社に入社。自身の子育て経験も活かし、子ども達は元より、子育てする保護者の味方にもなりたい、という強い想いを持ってサポート、志望校合格・苦手克服・成績アップに尽力している。社内表彰制度でMVPを受賞するなど活躍
田宮敦子(たみや・あつこ)さん。やる気スイッチグループの個別指導塾「スクールIE」仙川校の教室長。1965年大阪府生まれ。さまざまな業種・職種経験を経て2018年に同社に入社。自身の子育て経験も活かし、子ども達は元より、子育てする保護者の味方にもなりたい、という強い想いを持ってサポート、志望校合格・苦手克服・成績アップに尽力している。社内表彰制度でMVPを受賞するなど活躍
この記事で読めること
・おわび行脚がきっかけとなり、次のキャリアに踏み出す
・「人生最大のピンチ」は、キャリアのリセットで乗り越えた
・40代で、同時に2つの未経験分野にチャレンジ