今、注目のあの人たちに気になるテーマについて語ってもらいます。青木さやかさんと瀧波ゆかりさんには母との関係について。そして、山口真由さんと馬渕磨理子さんにはフェミニズム、そして自身のキャリアの話も振り返ってもらいます。

新春スペシャル対談「これが私たちの生きる道」

社会に出て実家を離れ、ようやく苦手だった母と距離を取ることができた。しかしその母が年を取ることで、再び距離が近くなる局面に陥ることも。老いていく母と後悔しないための距離のとり方について、苦手だった母との関係に悩み、そしてその母をみとった経験を持つタレントの青木さやかさんと漫画家の瀧波ユカリさんに話を聞きました。

前編 青木さやか×瀧波ユカリ 母親の呪縛、どう抜け出す?
後編 青木×瀧波 苦手だった母と後悔しない関係を築くには? ←今ここ
タレントの青木さやかさん(左)と、漫画家の瀧波ユカリさん(右)
タレントの青木さやかさん(左)と、漫画家の瀧波ユカリさん(右)

一度は取った距離 病を知り再び近づくも…

編集部(以下、略) お二人は社会に出られて一度は距離を置いたものの、母親の病気がきかっけで再び関係性が近くなりました。母親と改めてどう向き合ったのでしょうか。抵抗はありませんでしたか。

青木さやかさん(以下、青木) 私が高校生のときに両親が離婚をしてから、30年近く母に対して不機嫌な態度を取ってきました。母が末期がんでホスピスに入り、もうあまり長く生きられないと知ったときに「仲直りをしよう」と決意したのですが……。一番難しかったのは、「自分が機嫌のよい状態で、他愛もない話をすること」。普通の母娘にとっては当たり前のようなことが、できなかったんですね。

瀧波ユカリさん(以下、瀧波) 私もそうですね。放っておけば延々と愚痴を言ってくる母とは「楽しく会話」ができたことが少なくて。母にがんが見つかったと聞いたのは、2014年ごろ。一旦距離を取り、少し冷却期間を置こうと思っていた時期でしたから、青天の霹靂(へきれき)というか。自分の想定していた(親との関係性を立て直す)作戦ではなくなったなと思いました。