今、注目のあの人たちに気になるテーマについて語ってもらいます。青木さやかさんと瀧波ゆかりさんには母との関係について。そして、山口真由さんと馬渕磨理子さんにはフェミニズム、そして自身のキャリアの話も振り返ってもらいます。

新春スペシャル対談「これが私たちの生きる道」

元財務官僚で法学博士の山口真由さんと、日本金融経済研究所の代表理事で経済アナリストの馬渕磨理子さんのスペシャル対談。フェミニズムをテーマに、母親世代とは異なる価値観を持つことへの葛藤などを語り合った上編に続き、下編では男性社会で生きる2人の本音をお届けします。

(上) 山口真由×馬渕磨理子 私たちの課題は「母からの卒業」
(下) 山口真由×馬渕磨理子 男性の物差しに自分押し込めない ←今回はココ
日本金融経済研究所の代表理事で経済アナリストの馬渕磨理子さん(左)と、元財務官僚で法学博士の山口真由さん(右)
日本金融経済研究所の代表理事で経済アナリストの馬渕磨理子さん(左)と、元財務官僚で法学博士の山口真由さん(右)

大学卒業後は「母親の評価」の外に放り出されて迷走した

編集部(以下、略) 現在はそれぞれの専門性を生かしてメディアなどでも活躍し、独自のキャリアを切り開いているお2人ですが、大学卒業後はキャリアで迷走したこともあるそうですね。

山口真由(以下、山口) はい。学生時代は大好きな母に満足してもらうために一生懸命勉強して、成績も良くて、「母は私のことを誇りに思ってくれているし、完璧じゃん!」と思っていました。

 でも、社会人になって初めて「母親の評価」の外に放り出されたときに、「私はどうすればいいの? これから何を軸に自分の人生を測ればいいの?」と自問自答する日々が始まりました。

 そこから、財務省を辞めて弁護士の道に進んだり、転職につまずいて米国に留学したりしながら、「いったいどこがゴールなんだろう?」と途方に暮れて、キャリアに迷走していた時代があります。

馬渕磨理子(以下、馬渕) 私も母から認められるために受験を必死で頑張り、でも就職活動でエントリーした企業はすべて不採用で、キャリアに迷走していました。

 山口さんと同じで、社会人になってからは母親に代わる評価軸を求めて漂流していましたね。「次はどこから評価されよう?」と思い、会社からの評価を求めて懸命に働くなどしていましたが、最終的には評価を外に求めるのではなく、自分が納得できる仕事をしようと思うようになりました。

 ただ、今は仕事に専念している分、これ以上、自分が評価される要素を増やしたくないという思いはあります。

―― 自分が評価される要素とは、どういうものでしょうか?